大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(れ)149 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人坂本泰良上告趣意について。

原審の認定した判示事実は原判決挙示の証拠を綜合すればこれを肯認するに難く

ないのである。そして原審はその認定事実すなわち「被告人が判示状況の下にその

情状人命を奪うに足る判示庖丁(証第一号)を以て被害者Aの身体の枢要部である

腹部等を突刺した」事跡によつて、被告人に殺意のあつたことを推断したのである。

この原審の判断は実験則に照らし首肯し得るのであつて、原判決には所論のような

違法はない。所論は畢竟事実審である原審がその裁量権の範囲内で適法になした事

実の認定を非難するに帰着し上告適法の理由とならない。

よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

検察官 濱田龍信関与

昭和二六年四月二六日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

裁判官 齋 藤 悠 輔

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